じゅうたんは業務空間向き

じゅうたんは少し前までは、住宅にもよく利用されていました。しかしこのところマンションや戸建て住宅の床材はほとんどが木製のフローリングです。
いつの間にか、じゅうたんは住宅市場から見放されるようになったわけです。

その原因について考えてみます。最大の理由は近年の健康志向にあると思います。
じゅうたんはほこりがたまりやすく、ハウスダストの温床になります。乳幼児は床を這うため、とくに母親はこのことに敏感です。これが一番おおきな原因だと考えられます。
つぎは夏場の快適さの問題です。冬はカーペットは温かくていいのですが、夏は逆に不快です。素足で歩くのも気持ちが悪くエアコンに頼るしかなくなります。
またクリーニングに出すのは難しく、素人ではメンテナンスをきちんとするのが大変です。食堂などで汁物をこぼしてもきちんと後始末ができません。
このような要因が重なって、だんだんフローリングに移行していったと考えられます。
一方じゅうたんは、オフィスビルやホテル・病院などではいまだかなり採用されています。
そのメリットについて考えて見ます。まず一番目は足音がしないことです。
フローリングの床はほこりがたまらず健康的な材料ですが、靴音が高く響くのが欠点です。オフィスやホテル・病院など大勢の人が出入りしかつ施設内を移動する建物では、靴音が集まると騒音になります。
したがってカーペットの最大のメリットは消音ということです。

オフィスにカーペットが使われる理由は、床下が配線スペースになっていて部分的にはいで自由に配線を取り出すことができることです。
特に賃貸の事務所ビルではテナントが変わるたびに大きくレイアウトがかわります。
そのレイアウトに対応するためにはタイルカーペットが一番都合がいいのです。
ホテルは消音効果とともに豪華さの演出のためにじゅうたんが使われます。
特に宴会場などは食べこぼしが多いので、柄物のカーペットを敷いてあるのが一般的です。

ホテルのじゅうたんや役員室のじゅうたんなど靴がめりこむほど、ふかふかのじゅうたんを使っているところもあります。
しかしこれは実際は歩きにくいもので、実用的ではありません。
じゅうたんの贅沢な利用のしかたはフローリングの床の上に、必要な場所にだけ敷く使い方でしょう。
それも上等のペルシャじゅうたんのような薄手の生地のものです。
ヨーロッパの邸宅や高級ホテルではこのような使い方をしているところがあります。これだとメンテナンスも可能になります。